木造2階建ての住宅です。建物の角、和室の天井に雨水浸出が見られる案件です。
この和室の垂直方向にはルーフバルコニーがあり、ピンポイントでドレンがあります。赤い矢印の方向に水が流れて樋が受ける格好となっています。そしてここの防水は板金防水を採用していました。こういった場合、まず疑うのはドレンです。
ドレンの内部に鏡を入れてLEDライトで照らしてみると、板金ドレンと外壁部分の取り合いに不自然なところがありました。写真ではうまくうつらなかったのですが、赤い線の部分にはさみを入れて一部内側に折り込んでいるのがわかります。画面2/3、真っ黒に見えるのが外壁下地の野地板です。
ドレンの外側です。飛び出したドレンの雨水を樋が受ける構造となっているのがわかります。この作りですと、外壁に吹きつける雨や大雨の時、外壁から流れ落ちる雨水が板金ドレンの外側に雨水が浸入してしまいます。
外壁を塗装しても雨漏りがなおらなかったというお客様。こういった雨漏りのメカニズムの場合は、外壁塗装をしても絶対に雨漏りは止まらないです。
ちなみに、今の段階ではあくまで推測の域を脱していませんのでこれが100%雨漏りの原因とは言い切れませんが、頭の中で雨水の流れを想像し、仮説をたてることが重要です。またそれを目視するためには、ドレンの内部をのぞけるような鏡やLEDライトなどの小道具が役に立ちます。