2023年2月18日
寒い冬の終わりがやっと見えてきましたね。気温が低いときにも日差しは春めいた感じになってきました。
さて、そんな冬も終わりに近づいている2月中旬頃、寒い!冷たい!散水調査を実施しました。RC造の雨漏り調査です。
赤い線はRCの壁にヒビが入っていることを表しています。ヒヤリングではここから雨水が浸出するとのこと。またその条件は雨が窓に吹き付けるような時に雨漏り具象(雨水が目視できる状況)が発生するとのことです。
外観です。実はこの雨漏り案件ですが、すでに他の業者様が調査を実施し、
赤丸部分にシャワーヘッドにて散水し、室内のひび割れ箇所から漏水を確認しているとのことでした。そしてその結果に基づいてサッシまわりのシーリングを打ち替えたのですが、雨漏りの症状が改善されず、お話が来たという経緯があります。こういったことから調査を想定する被疑箇所(雨水浸入の可能性のある場所)も細分化して挑む必要がありました。
まずは他の業者様が散水して雨漏り具象が再現されたというサッシ水切り上を養生し、サッシ全体やシーリング、外壁に水がかからないように調査をしました。
調査開始から35分後、調査水が当該ひび割れ部分から漏水してきました。
流れ落ちてきた調査水です。
この結果からまずはサッシ水切り下から雨水浸入したことがわかりました。他社様の調査では水切り、シーリング、そしてサッシ水切り下の外壁まで同時に調査水がかかってしまったため雨水浸入位置の細分化ができず、雨水浸入となりうる可能性が一番高い、サッシと外壁の取り合いシーリングを雨水浸入位置と断定したと思われます。もっとも、他社様の調査では作業足場もなく、屋上からホースを降ろして調査するという方法だったため、他の被疑箇所が濡れないように養生などを施す調査が不可能だったということも大きな要因といえます。
サッシと外壁取り合いのシーリングではないとすると、どこから浸入しているのか?見た目にはひび割れもなくきれいな外壁なのですが、ウィークポイントがあります。それはRCの躯体にサッシを取り付けてからモルタルで埋め戻している箇所があります。RCの躯体と埋め戻すモルタルは実は一体とならずひび割れなどが発生しやすい場所となります。
さて、雨漏り具象は再現されましたが、これで調査が終わるということではありません。雨漏りの原因は1箇所とは限らないからです。雨水浸出する場所は1箇所の雨漏りでも複数の雨水浸入箇所が存在する雨漏りは経験上多いです。ここで調査を終えてしまえば他の雨水浸入箇所を見逃し、調査、修理をしたのに雨漏りが止まらない。という状況になってしまいます。
今回は3日間かけて調査を実施する予定です。雨水浸入箇所に水がかからないように養生して調査を実施してきます。