今回は防水工事の施工です。上の3枚の写真は現場調査の時に撮影したものです。アスファルト防水の上に何か不明な白い塗料を塗っているみたいです。2枚目の写真は壁際、立ち上がりの部分ですが、長年の風雨、紫外線で防水層がなくなって、地肌のコンクリートが出てきてしまっています。
3枚目の写真の黒い部分は水がたまっています。壁際の方が下がっていて、水勾配がとれていないです。
左の写真は全面カチオン系樹脂モルタルをしごいて乾燥したところです。
真ん中の写真は施工前、水がたまっていた所を左官屋さんが水勾配を調整してくれたあとの写真です。
右の写真ですが、カチオン系モルタルを上の角で終わらせるのではなく、少し壁の方まで塗下げて仕上げています。このような施工をすることによって雨水の浸入を屋上だけでなく、壁の方にも進入しにくくなると言う利点があります。
通気マットを敷き詰める利点は下地(建物)や旧防水層からの空気や湿気をこのマットで止める役目があります。
なぜ、そんなことが必要か→新しい防水層が出来ることによって一番上は完全にフタをされてしまいます。この状態で太陽光によって暖められた空気や湿気は膨張して表面に出てこようとします。この現象を“突き上げ”と言って、通気マットがない状況で発生すると新しい防水層がふくれてしまうと不具合が出てきてしまいます。
この筒を先ほどの通気マットの上に取り付ける事によって“突き上げ”で出てきた空気や湿気を外に逃がしてあげます。もちろん、風雨や紫外線に当てられても錆びたりしないステンレス製で出来ています。機能は呼吸をするのではなく、吐き出すだけの機能です。
立ち上がり用は少し材料は硬めに出来ていて、文字通り立ち上がり部分や平場用では流れてしまう部分に使用します。
防水に使用されるウレタン樹脂はそのままでは風雨や紫外線に対しての耐候性、耐久性があまりありません。すぐ粉状になってしまいます。それを防止する為に、トップ材を使用して保護してあげます。また、お客様の任意の色に仕上げる美観、美装の目的も同時にご提供します。
最後に
この防水の工法は今まで一番弊社でも一番実績があります。仕上がりもピカピカでお客様に大変ご好評いただいております。少し面積の広い所には必ずこの工法をお勧めしています。
注意点としてはメーカーでもしっかりうたっていますが、トップ材を5年に一回再塗装をすると言うことです。
トップ材は一番 風雨や紫外線にさらされます。温度の変化も激しいです。一番痛みやすい部分ともいえます。なので、大切な防水層を10年、20年と守るために5年に一回の再塗装をお願いしております。また、トップ材の種類をフッ素樹脂に替えることにより5年に1回のサイクルを10年に1回とすることも可能です。
駆け足で防水工事の流れをご説明しましたが、写真では写していない細かい部分、仕上がってしまうとわからなくなってしまう部分の作業がすごく大事で、このノウハウがまさにプロの防水屋さんと言われるゆえんで、同じ材料、同じ工程を踏めば誰でもうまく施工出来るものではないのです。ましてや10年20年屋上から水を室内に侵入させないという使命もあります。
私がいつもお願いしている防水屋さんは若い(と言っても私より)ですが、防水工事の経験が豊富で今までいくつもの防水工事をお願いして参りました。そのどれもがすばらしい仕上がりで、今日現在、雨が漏りましたというクレーム、苦情は一件もないです。
プロなのでクレーム、苦情ゼロは当然ですが、当たり前のことを当たり前のように施工をする。この作業を長年続けていくのは簡単なようで実は大変なことです。信用は1日では築き上げられません。だから、一つ一つの一連の作業を丁寧に、気を抜かずに行う。この姿勢が大勢のお客様+(私と防水屋さん)の信頼になっていくと確信しています。
ながながと書いてしまいました。ここまで読んでいただいてありがとうございます。 倉方