2024年11月2日
今日は一日雨でしたね。このブログを作っているのが午後7少し前ですが、さっきまで土砂降りでした。
天気予報では夕方荒れると言っていましたがほんとに荒れました。風はそれほど強くないようですので足場系は心配ないですがが、
雨漏り修理途中の現場はちょっと不安があります。
さてそんな荒れ模様な一日でしたが、今日は屋根の縁切りをお伝えいたします。
ここ東京では多く使用されている屋根材で『窯業系スレート屋根』や『住宅用平型スレート屋根』はたまた『コロニアル』なんて呼ばれています。この屋根材は下から一枚一枚釘で野路板に止めていきます。屋根の写真では釘を打っている部分は上の屋根材が被っているので見えませんが、極端なことを言うとアスファルトルーフィング(防水紙)に穴を開けて屋根材を固定しています。アスファルトルーフィングに穴を開けてなんで雨漏りしないのか?不思議ですよね。それはアスファルトルーフィングのアスファルトの部分が釘に対してシール性を有するからするから雨漏りしないと言われています。正直、私も釘で穴を開けているなんて最初はびっくりしました。が、何もなければ雨漏りしないということはやっぱりそのシール性が大いに役立っているということになります。
さて、ここでそんな屋根材を塗装するとちょっとした不具合が発生します。下から重ねている屋根材が塗装することによって重なり部分に塗料が入り、1枚1枚独立している屋根材の隙間が埋まってしまう。ということが発生します。この隙間、実は非常に重要で、雨が降ると屋根材のとなり同士の隙間や上下の重なりからから水分が屋根材の裏に入ります。そして雨が止み、晴れてくるとその水分を隙間から放出します。この放出する隙間を屋根塗装することによって埋まってしまう、詰まってしまうという状況が生まれます。このような状況になると水分がいつまでも抜けず、それがある程度の時間(早ければ1~3ヶ月程度)経過すると抜けない水分がアスファルトルーフィングの下にある合板を痛めてしまい、固定している釘から雨漏りが発生することがあります。
ですので塗装するときにはこの隙間を埋めないようにしなければなりません。この作業を縁切りといい、昔は塗装後、カッターや皮スキなどで塗膜を切っていました。今は縁切りの専用部材である『タスペーサー』というプラスチックのパーツを使用して物理的に隙間を開けます。
縁切り部材のタスペーサーです。
屋根材1枚につき左右1まいずつ、2枚挿入するのが基本です。もちろん、もともと隙間が空いていてタスペーサーを入れても落ちてしまうところは入れません。
挿入完了です。このタスペーサー01が出てからはシーラーの塗装前に挿入することができるようになりました。
サンカラーではこの縁切り部材、タスペーサーが市場に出回った当初から使用しています。今まで屋根塗装して雨漏りを発生させたという事は1件もありません。また、こういった作業がどういった意味を持つものなのか?を理解している職人さんが作業しないと、ただ入れているだけ。ということになってしまいます。
小さな部材ですが大きな役目をしているタスペーサー、これからも必ず使用します。